共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2022年3月

レシオ型の蛍光変化を示す超分子メカノフォアの創製と水圏機能材料への応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
20H05198
体系的課題番号
JP20H05198
配分額
(総額)
4,940,000円
(直接経費)
3,800,000円
(間接経費)
1,140,000円

本研究では、共有結合を切断することなくレシオメトリックな蛍光色変化を示す「シクロファン型超分子メカノフォア」を創製し、機械的刺激によって蛍光特性が変化する水圏機能材料を創製することを目指した。
前年度の研究において、我々は、エキシマ-蛍光を示す蛍光団を二つ環状構造に導入したシクロファン型超分子メカノフォアの概念実証を、ポリウレタンをホストポリマーとして用いて行った。この成果を踏まえて今年度は、機械的刺激による蛍光特性変化をより大きくするために、開発した超分子メカノフォアをヒドロゲルに導入することを目指した。様々なヒドロゲル作製法を試み、最終的に、ポリウレタンウレアに導入することができた。このポリウレタンウレアは主鎖にカルボン酸を持ち、含水することでヒドロゲルにすることができ、さらに、数百%まで延伸できた。メカノフォアを導入したポリウレタンウレアを含水して得られたヒドロゲルは、前年度得られたポリウレタンと比較してエキシマ-蛍光の寄与が大きくなっており、さらに、延伸によって、モノマー蛍光に対するエキシマ-蛍光の比率が低下することが分かった。さらに力を除くと元の蛍光特性が回復し、ポリウレタンで行った時と同様に、良好な可逆性があることが明らかとなった。当初の期待に反して、ヒドロゲル中でエキシマ-支配的な蛍光特性とはならなかったものの、ヒドロゲルのような水圏機能材料に超分子メカノフォアを導入し、機械的刺激によって蛍光特性変化を確認できたのは大きな進展であると考えている。今後はより親水性の分子構造を持つ超分子メカノフォアを開発し、水圏機能材料に導入し、メカノ機能を発現させる予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PUBLICLY-20H05198
ID情報
  • 課題番号 : 20H05198
  • 体系的課題番号 : JP20H05198