共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

離島の食資源利用解明の方法論的研究―古墳時代の南九州甑島列島を対象として―

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K01102
体系的課題番号
JP19K01102
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

古墳時代の離島の食生活の実態を知るために実施した薩摩川内市下甑町に所在する手打貝塚の発掘調査出土遺物の整理作業、食生活の実態解明の参照とするための分析の実施および関連する資料を得るための発掘調査が主たる研究実績である。
手打貝塚の発掘調査により出土した土器の整理作業を進めた。採取したサンプル中に含まれていた土器の洗浄、注記、接合を行い、さらに、サンプル中およびトレンチから出土した土器のうち、報告書に掲載する予定のものについて、実測まで行うことができた。この作業により、2019年度に実施した発掘調査の出土遺物は、古墳時代のものが主体を占め、古代のものがそれに次ぐことから、新しい時期まで比較的盛んに貝塚が形成されていたことがわかった。
手打貝塚および鹿児島大学構内遺跡から出土した古墳時代の土器を対象に、残留脂肪酸分析を実施した。手打貝塚の試料は、貝塚から出土したものであるが、海産資源をあまり摂取していないことを示す結果が得られた。
関連して、分担研究者である竹中正巳が実施した指宿市山川町に所在する成川遺跡の発掘調査にメンバー全員が参加した。この調査は、南九州の大規模な土壙墓群として知られる成川遺跡から、人骨資料を得、DNA分析および形質的な特徴から日本人の起源にアプローチすることを主目的に実施されたが、人骨の分析によって、食性やデンプンの種類、栄養状態などの情報も得られる可能性がある。今回の調査では再葬墓1基、土壙墓6基を検出し、人骨資料を得ることができた。食性に関する分析は次年度に行う予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K01102
ID情報
  • 課題番号 : 19K01102
  • 体系的課題番号 : JP19K01102