講演・口頭発表等

2016年3月27日

谷川山系荒沢山(新潟県)における標高傾度に沿ったカシノナガキクイムシの発生

日本森林学会大会発表データベース
  • 福沢 朋子
  • ,
  • 新井 涼介
  • ,
  • 逢沢 峰昭
  • ,
  • 北島 博
  • ,
  • 所 雅彦
  • ,
  • 大久保 達弘

記述言語
日本語
会議種別

カシノナガキクイムシ(以下、カシナガ)の穿入に伴うナラ類集団枯損被害は、1980年頃から日本海側を中心に拡大した。2011年の群馬県北部のみなかみ町における被害分布調査から、被害は被害量の多い日本海側の新潟県から標高2000mを越える谷川連峰を越えて広がってきたものと予想された。しかし、ナガキクイムシ科甲虫の活動には一定以上の気温が必要であり、高標高地域では発生数 などが制限される可能性がある。本研究では上記の可能性の検証のため、みなかみ町に隣接する新潟県湯沢町の荒沢山(標高1,303m)において、標高傾度に沿ったカシナガ成虫の発生数と飛翔数を調査した。2015年6月15日~12月1日にかけて、標高600~1000mの尾根上の前年枯死木13個体に発生トラップを、標高100mごとに飛翔トラップ(各2基)を設置し、発生数および飛翔数をそれぞれ調べた。その結果、本調査地の発生・飛翔の初発日は7月19日であった。発生数は各調査木で大きなばらつきがみられたことから、標高間の違いよりは樹液の滲出量などの各調査木の状態 によって決定される可能性が推察された。一方、飛翔数 は標高上昇に伴って減少するとともに、飛翔時期が遅くなる傾向がみられた。

リンク情報
URL
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005166874