2009年 - 2011年
がん化学療法による認知機能障害の分子メカニズムの解明とその予防について
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
化学療法による認知機能障害の機序を検討するため、パクリタキセル(Px)、フルオロウラシル(5-FU)、シクロフォスファミド(CPA)を用いて、神経系細胞(SY5Y細胞、SK-N-SH細胞)への毒性及び小胞体ストレス(ER stress)との関連性を検討した。Pxと5-FU負荷では濃度依存的に毒性が確認されたがCPAでは明らかではなかった。またPxと5FU負荷ではリン酸化eIF2α及びGRP78/ 94の誘導が認められた。さらにBip inducer X(BIX)にてこれらの細胞を前処理し、同様の負荷を行ったところ、Pxでは神経毒性が有意に減じていた。今回の結果は、Pxによる神経毒性にはER stressが一部関与し、その神経毒性はBIXにより予防できる可能性が示唆された。
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- 課題番号 : 21591515
- 体系的課題番号 : JP21591515