基本情報

所属
千葉県立中央博物館 動物学研究科 主任上席研究員
学位
農学博士(1987年3月 東京大学大学院農学系研究科)

研究者番号
30250137
ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0002-9791-9886
J-GLOBAL ID
201801016462595354
researchmap会員ID
B000298473

外部リンク

1959年東京都杉並区生まれ。千葉県立中央博物館・ 主任上席研究員(定年退職・再任用)。1986年3月東京大学大学院農学研究科博士課程修了 (農学博士)。1995年に分子生物学実験の基本技術を習得して以来,新技術の開発を突破口に大規模データを取得して新分野を切り拓くスタイルで研究を進めてきた (データ駆動型・仮説発見型研究) 。専門は魚類を主体とする分子系統学分子生態学。前者の分子系統学については,ミトコンドリアゲノム全長配列 (約16,500塩基対) の高速決定法を開発 (Miya & Nishida 1999)。大規模データに基づく大系統解明の先駆けとなる一連の研究を行った。上位真骨類の大系統解明 (Miya et al. 2003),三つの科に分けられていた深海魚が一つの科の仔魚と雄と雌であることを発見 (Johnson et al. 2009),ウナギ属が深海起源であることを発見 (Inoue et al. 2010),新科・新属・新種のウナギ目魚類の発見 (Johnson et al. 2012),外洋で一斉放散を遂げたペラジア類 (スズキ目の異なる6亜目に分けられていた14科をまとめたもの) の発見 (Miya et al. 2013 ; Campbell et al. 2018) 等がその代表的なもの。新たな高次分類群として2系 (ペラジア系・ヨウジウオ系),2目 (セキトリイワシ目・スタイルフォルス目),2科 (ムカシウナギ科・ネオサイエマ科) を設立した。これらの研究成果について,英文レビュー (Miya & Nishida 2015) と和文単行本「新たな魚類大系統 — 遺伝子で解き明かす魚類3万種の由来と現在」(慶應大学出版会;宮 2016) にまとめた。後者の分子生態学については,魚類環境DNAメタバーコーディング法 (同時並列多種検出法) の技術を開発 (Miya et al. 2015)。「バケツ一杯の水で棲んでいる魚がわかる技術」として注目を集め,テレビ,ラジオ,新聞,雑誌等の各種メディアで大きく取り上げられた。 この環境DNA分析技術は世界の海洋・淡水・汽水で用いられるようになり,魚類群集研究の標準法としての地位を築きつつある (Miya et al. 2020)。Miya et al. (2015) は,Royal Society Open Science 誌が2014年に創刊して以来出版された5,765編の論文のうち,過去12ヶ月ならびに通算の被引用数で第4位にランクされている (2024年3月18日現在)。また,同様の技術を哺乳類 (Ushio et al. 2017) ,鳥類 (Ushio et al. 2018),両生類 (Sakata et al. 2022) 等の脊椎動物の他,十脚甲殻類 (Komai et al. 2019) 等の無脊椎動物にも適用し,環境DNAによるモニタリングが幅広い分類群で可能であることを示した。さらに,Fisheries Science 誌と Annual Review of Marine Science 誌に招待され,環境DNAメタバーコーディング法の総説を発表した (Miya et al. 2020; Miya 2022)。2024年3月29日現在,公表済みの原著論文は191篇で通算19,596回引用されている (Google Scholar My Citations 調べ:h-index = 80; i100-index = 68; i10-index = 162)。2022年版 “World's Top 2% Scientists” では,上位2%にランクされた210,199人の世界の研究者の30,994位 (日本のみでは497位),1960年以降の通算では204,644人の世界の研究者の66,849位(日本のみでは1,896位)に位置づけられた (https://elsevier.digitalcommonsdata.com/datasets/btchxktzyw/6)。2023年に創設された日本魚類学会賞の初代受賞者となった。


受賞

  3

共同研究・競争的資金等の研究課題

  26

主要な論文

  191

MISC

  30

主要な書籍等出版物

  10

講演・口頭発表等

  26

Works(作品等)

  1

社会貢献活動

  31

メディア報道

  108