2016年11月
空腸挙上による腸管再建を行った二次性腹部大動脈十二指腸瘻の1例
血管外科
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- 巻
- 35
- 号
- 1
- 開始ページ
- 79
- 終了ページ
- 84
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 血管外科症例検討会
症例は、73歳男性。10年前に破裂性腹部大動脈瘤に対して人工血管置換術の既往がある。急性腸炎の診断にて近医で入院加療中、CT検査で腹部仮性大動脈瘤を指摘され当院へ紹介された。CT画像から大動脈腸管瘻を疑い緊急手術を行ったところ、腹部人工血管中枢吻合部が破綻して仮性動脈瘤となり、その腹側に十二指腸が広範囲に強固に癒着し腸管瘻を形成していた。感染した人工血管を摘出し解剖学的血行再建、大網充填を行うとともに、広範囲に感染・炎症の及んだ十二指腸を水平部から空腸起始部まで切除し空腸を挙上して十二指腸下行部と側々吻合を行い腸管再建とした。十二指腸損傷部の単純縫合は縫合不全を生じやすいとされており、特に広範囲の十二指腸を切除した場合の再建は工夫を要する。十二指腸空腸側々吻合による再建は有用であった。(著者抄録)
- ID情報
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- 医中誌Web ID : 2017128462