2018年4月10日
九州北部に分布する結晶質岩内の割れ目の特徴と形成過程について
応用地質
- ,
- ,
- 巻
- 59
- 号
- 1
- 開始ページ
- 2
- 終了ページ
- 12
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.5110/jjseg.59.2
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 日本応用地質学会
結晶質岩地域における地下深部の透水性割れ目の特徴および形成と発達を把握することを目的とし,九州北部に分布する花崗閃緑岩からなる岩盤中に建設した地下施設を利用した地質調査を実施した.地下坑道における新鮮な花崗閃緑岩露頭において割れ目を観察し,割れ目の分布間隔,方向,変質,充填鉱物,湧水の有無の調査を行った.割れ目の頻度,方向および充填鉱物の特徴によると,花崗閃緑岩内の割れ目はA~Dおよび低角度(LA)の5つのグループに分類される.全割れ目に高温環境で形成される緑簾石および石英が充填していることから,全ての割れ目は岩体が高温であった冷却初期に形成されたと考えられる.Bグループの割れ目は最も多く湧水が認められ,現在の透水性割れ目として機能している.さらにBグループの割れ目の充填鉱物の組み合わせと産状から考察した結果,Bグループの割れ目は開口と閉塞が交互に生じたと示唆された.また,Bグループの割れ目は熱水の影響を示唆する赤色変質部を多く伴い,トレース長が長く,他のグループの割れ目を切る傾向があることから,割れ目の形成初期から現在までの長期にかけて重要な透水性割れ目として機能していたと考えられる.
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.5110/jjseg.59.2
- ISSN : 0286-7737
- eISSN : 1884-0973
- CiNii Articles ID : 130007695601
- CiNii Books ID : AN00026635
- CiNii Research ID : 1390001288158369152