2001年6月
『マクベス』と『最後の晩餐』ーその共通の仕掛けー
『NEW PERSPECTIVE』
- 巻
- 32
- 号
- 173
- 開始ページ
- 82
- 終了ページ
- 92
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
トマス・ド・クィンシーの『「マクベス」劇中の門口のノックについて』の論文を引用・検討しながら、更にこの論を発展させて、シェークスピアはド・クィンシーが論じていた以上の効果を『マクベス』の中に仕掛けていること解明していく。この効果はまた、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』の中の仕掛けが与えるものと同じである。つまり加害者(マクベスとユダ)の心中に渦巻く地獄に、観る者の目を向けさせ、共感を覚えさせることで人間本来の姿を炙り出す。この仕掛けの持つ効果を「最後の晩餐」の構図の歴史的な変遷に触れながら例証していく。