2020年6月
抗菌薬適正使用支援活動によるデ・エスカレーションの向上が血液培養陽性患者アウトカムに及ぼす影響
医療薬学
- 巻
- 46
- 号
- 6
- 開始ページ
- 314
- 終了ページ
- 322
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本医療薬学会
抗菌薬適正使用支援(AS)活動に伴うデ・エスカレーション率の変化について検討するとともに、デ・エスカレーションの有効性と安全性について検討した。2011年、2014年、2017年の各時期1年間の対象期間に院内の血液培養総提出件数、血液培養複数セット実施割合、血液培養陽性の割合を調査した。初期治療でカルバペネム系抗菌薬を使用した後、ほかの狭域の抗菌薬ヘデ・エスカレーションされた患者割合は経年的に増加を認めた。90日死亡率は2011年では24.3%で、2014年、2017年ではそれぞれ17.8%、15.6%と減少したものの有意差は認められなかった。再発率は2011年と比較して2017年に有意な低下が認められた。原因微生物をAS活動開始前の2011年とAS活動5年目の2017年で比較すると、グラム陰性桿菌は44.1%から51.7%へと増加し、グラム陽性球菌は46.4%から40.2%へと減少が認められた。当院におけるAS活動はデ・エスカレーション率の向上に寄与しており、患者アウトカムが改善されたことが示唆された。
- ID情報
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- ISSN : 1346-342X
- eISSN : 1882-1499
- 医中誌Web ID : 2020308738