共同研究・競争的資金等の研究課題

2014年4月 - 2018年6月

熱帯大気海洋系変動と日本の異常天候に関する数値的研究

文部科学省  科学研究費補助金(基盤研究(A))  

担当区分
研究代表者
資金種別
競争的資金

本課題では、近年の日本および周辺アジア域における異常天候の発現メカニズム理解と、それに対する地球温暖化および熱帯域自然変動の寄与を明らかにすることを目的とした各種数値実験を行う。特に、全球的な気温上昇の停滞(ハイエイタス)と、下記の猛暑出現
に着目し、大気大循環モデル(AGCM)と大気海洋結合モデル(CGCM)を組み合わせたシミュレーションを考案、実施して結果を解析する。課題3年目となる本年度は、結合モデルの実験を実施し結果を論文として公表するとともに、昨年度実施したAGCMのアンサンブル実験データの解析を行った。具体的な実績は以下のとおりである。
○結合モデルを用いた長期気候再現実験および要因分析実験の実施と解析(渡部、望月):最近20年の熱帯西部太平洋の昇温状態や関連する貿易風の強化がどのような要因で生じているのかを調べ、結果を論文としてまとめた。
○結合モデルを用いた事後予測実験の実施と解析(今田):2015年は強いエルニーニョが発生したが、前年に赤道大気海洋系はエルニーニョが発現してもおかしくない状態だった。これについて、2014年のエルニーニョがなぜ発達しなかったのかを事後予測実験を行って詳細に調べ、論文として公表した。
○AGCMを用いた100メンバーアトリビューション実験の解析(塩竈、今田):2000年代の日本の猛暑に対する自然変動と温暖化各々による熱帯海面水温偏差の寄与を、高解像度AGCMを用いて行った大規模アンサンブル実験の結果を解析して評価した。また、観測史上初となるような異常気象の出現が長期的にどう変化しているかを解析し、論文として公表した。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-26247079/