2008年 - 2009年
マイコプラズマ滑走運動の再構成
文部科学省 科学研究費助成事業 特定領域研究
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 6,400,000円
- (直接経費)
- 6,400,000円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- 競争的資金
全くユニークなメカニズムである,マイコプラズマの滑走運動を再構築することを目指して,以下の研究を行った.(1)本研究で見いだした,滑走に直接関係するタンパク質の遺伝子の全てを化学合成した.それにより,大腸菌を用いてそれらのタンパク質を組み換えタンパク質として合成することが可能になった.(2)組み換えタンパク質を用いて,昨年度に本研究で得られていた,滑走を特異的に阻害する多数の人工抗体の標的部位を明らかにした.これにより,これらのタンパク質のトポロジーと,大きく動いている部分が示唆された.(3)低濃度の界面活性剤で細胞を処理することで,滑走装置とそれ以外の部分の連結が弱くなることを見いだした.この状態を利用して,滑走装置を菌体から遊離しさせ単離することに成功した.(4)滑走時のあしの数を減らし,菌体の動きから一本のあしの動きを観察することに成功した.(5)遺伝子操作方法の開発を目指し,ベクターの開発と形質転換の素過程の可視化を行った.(6)滑走装置を構成する3つのタンパク質,Gli123, Gli349, Gli521をネガティブ染色電子顕微鏡法で観察することにより,高解像度のイメージを得た.(7)単離したあしタンパク質のシアル酸結合活性を,原子間力顕微鏡を用いて測定した.