2017年5月 - 2022年3月
過去の大規模な気候変動における氷床・海洋・大気の相互作用の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S) 基盤研究(S)
大気海洋結合モデルや氷床モデル、植生モデル、海洋物質循環モデル、同位体モデルに関して、過去150万年の氷床や気候、海洋のシミュレーションにとって必要な開発改良課題に取り組み、古気候指標と直接比較可能にするモデリング体制作りを開始した。
これまでに実施した北半球氷床の過去40万年の計算を過去80万年に拡張した。氷期から間氷期への移行の条件と考えられる地球軌道要素や二酸化炭素濃度を変化させ、氷床と気候の計算を実施することで、それぞれの役割の時代による違いを定量化する。更に、過去150万年のモデリングに着手し、約100万年前に氷期サイクルが4万年周期から10万年周期へ遷移した原因とメカニズムに迫る為の様々な感度実験を計画し、実験を開始した。
最終退氷期を含む複数の退氷期において連続的非定常の実験をMIROCを用いて行い、退氷期における氷床-海洋-大気の相互作用についての感度実験を実施した。その結果、北大西洋での風と海氷の相互作用が海洋深層循環と気候の維持に重要であることがわかった。また最終退氷期については、IcIES-MIROCを用いて北大西洋へ流入する氷床融解水のシナリオを調べ、MIROCに与える氷床融解水量を様々に変える実験を行った。氷床と海洋、気候の相互作用を分析することで、様々な問題を解明している途中である。
平均気候の決定条件である二酸化炭素濃度や軌道要素を変化させる感度実験を多数実施し、振動の発生や維持の条件を詳細に調べた。深層循環やグリーンランドの気温、中低緯度の降水量について振動の2つのモードを解析するとともに、海洋炭素循環モデルによって海水中の炭素同位体を計算し、データとの直接比較を行った。海洋深層循環の外的要因に対する応答の性質をその多重構造に着目して解き明かすため、様々な二酸化炭素濃度や軌道要素の条件下で、淡水流入を増減させる実験を実施した。
これまでに実施した北半球氷床の過去40万年の計算を過去80万年に拡張した。氷期から間氷期への移行の条件と考えられる地球軌道要素や二酸化炭素濃度を変化させ、氷床と気候の計算を実施することで、それぞれの役割の時代による違いを定量化する。更に、過去150万年のモデリングに着手し、約100万年前に氷期サイクルが4万年周期から10万年周期へ遷移した原因とメカニズムに迫る為の様々な感度実験を計画し、実験を開始した。
最終退氷期を含む複数の退氷期において連続的非定常の実験をMIROCを用いて行い、退氷期における氷床-海洋-大気の相互作用についての感度実験を実施した。その結果、北大西洋での風と海氷の相互作用が海洋深層循環と気候の維持に重要であることがわかった。また最終退氷期については、IcIES-MIROCを用いて北大西洋へ流入する氷床融解水のシナリオを調べ、MIROCに与える氷床融解水量を様々に変える実験を行った。氷床と海洋、気候の相互作用を分析することで、様々な問題を解明している途中である。
平均気候の決定条件である二酸化炭素濃度や軌道要素を変化させる感度実験を多数実施し、振動の発生や維持の条件を詳細に調べた。深層循環やグリーンランドの気温、中低緯度の降水量について振動の2つのモードを解析するとともに、海洋炭素循環モデルによって海水中の炭素同位体を計算し、データとの直接比較を行った。海洋深層循環の外的要因に対する応答の性質をその多重構造に着目して解き明かすため、様々な二酸化炭素濃度や軌道要素の条件下で、淡水流入を増減させる実験を実施した。
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- 課題番号 : 17H06104
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論文
1-
Climate of the Past 17(1) 21-36 2021年1月6日 査読有り