共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年7月 - 2025年3月

光子散乱量子効果に基づいたエンジニアード・サーフェス・メトロロジーの学理基盤構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)  挑戦的研究(開拓)

課題番号
21K18159
体系的課題番号
JP21K18159
配分額
(総額)
25,870,000円
(直接経費)
19,900,000円
(間接経費)
5,970,000円

本研究は,代表サイズがナノメートルオーダでダイナミックレンジの広いナノ表面トポグラフィのスケール階層的な測定量を統合するエンジニアード・サーフェス・メトロロジーの基盤を確立するため,ナノ表面トポグラフィによる光子散乱の根源的な機序を解明し,光子散乱の量子効果(量子もつれ光子対,光スピンホール効果,散乱ドレスト光子)に基づく光子散乱表面計測の学理構築を目的としている.本年度は,量子的ゴーストイメージング(QEP-GI)の基本原理を確立するため,量子もつれ光源の基本特性に基づいたQEP-GI計測システムの構築と計測原理の検証実験を遂行した.
量子もつれ光子は,互いにもつれ状態にある光子対にのみ空間的な相関があるため,迷光には不感でありノイズ耐性に優れた高感度なイメージングが可能となる.一方で,量子GIの空間分解能は,被撮影物体を照明する光子対の分布領域に依存する.そこで,量子もつれ光源,単一光子検出器および時間相関単一光子計数機などからなるQEP-GI光学系および計測システムを設計・試作し,基本動作検証実験を行った.量子GIでは,量子もつれ光子対の空間的な相関を利用する.そこで,量子もつれ光子対は2次の非線形光学効果により発生し,光子対を観測系と参照系の2光路に分割した.観測系で被撮影物体を照明する光子分布は,参照系での光子分布と空間的な相関があるため,参照系での2次元走査による同時計数計測を行った.
基礎実験の結果,量子もつれ光子対の空間的な相関を確認した.さらに,量子もつれ光子対の空間的相関を用いた量子GIを行い,量子GIによって得られた画像はサンプルの開口の形状と概ね一致することを確認した.また,サンプルの光路を小さくすることで擬似的な縮小投影を行った.その結果,サンプルに照明する光子分布領域を小さくすることで取得画像を拡大できることを明らかにした.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K18159
ID情報
  • 課題番号 : 21K18159
  • 体系的課題番号 : JP21K18159