共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

パーキンソン病患者のすくみ足に対する新たな感覚フィードバック練習の考案

日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究

課題番号
20K19371
体系的課題番号
JP20K19371
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,640,000円
(直接経費)
2,800,000円
(間接経費)
840,000円

本研究の目的は,パーキンソン病患者の主要症状であるすくみ足や姿勢制御障害の改善を目的として,運動学習に着目した新たな感覚フィードバック練習を考案することだった。対象となるすくみ足のあるパーキンソン病患者について姿勢バランス能力の検証を行い,健常高齢者およびすくみ足のないパーキンソン病患者と比較して安定性限界と呼ばれる重心の最大移動範囲が狭小化している一方で,立位時の動揺範囲など静止立位における姿勢制御能力はすくみ足のないパーキンソン病患者と比較して大きな差がないことを報告した。従って,パーキンソン病患者におけるすくみ足に最大重心移動範囲の狭小化が関係している可能性が示唆された。本研究の成果は,Gait & Postureに掲載された。
さらに,上述した安定性限界のうち前方への安定性限界の狭小化に対して,母趾だけでなく,第二趾が大きな影響を与えることを健常若年者を対象とした研究によって示した。本研究の成果は,Health and Behavior Sciencesに掲載された。
また,健常若年者を対象に外乱に対する代償的なステッピングの練習効果を比較検証した。その結果,外乱が生じる方向を事前に教示したステッピング練習でも方向を事前に教示しないステッピング練習と同程度の練習効果を外乱の方向およびタイミングを教示しない外乱刺激に対して示すことを報告した。従って,より安全性の高い外乱の方向を教示した練習方法でもステッピング練習の効果が得られることが示唆され,姿勢制御能力に障害があるパーキンソン病患者に対する応用の可能性が示された。本研究の成果はFrontiers in Human Neuroscienceに掲載された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K19371
ID情報
  • 課題番号 : 20K19371
  • 体系的課題番号 : JP20K19371

この研究課題の成果一覧

論文

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