1997年 - 1998年
ABO式血液型遺伝子の転写調節機構の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
研究はABO式血液型遺伝子の転写調節機構の解明を目的として行われ、以下のことが明らかにされた。
(1) 5'RACE Systemを用いた実験から、胃癌細胞、赤血球細胞系で転写が同様な位置から始まる。
(2) 胃癌細胞、赤血球系細胞を用いたプロモーターアッセイからABO式血液型遺伝子の転写において転写開始点付近(-117/+31)が必要条件である。
(3) 胃癌細胞を用いたプロモーターアッセイから転写開始点の上流3.2kbから4.Okbの領域に存在するミニサテライトが転写を促進する。そこには転写囚子CBF/NF-Yが結合する。
(4) ABO式血液型遺伝子の転写開始点の周囲の約1.3kbの領域はCpG islandの特徴を持ち、転写開始点の上流1kbから2kbにかけてAlu配列が2つ向かい合わせに存在する。Methylation Specific PCR法、メチル化したレポーターを用いたプロモーターアッセイ、DNA methyltransferaseの阻害剤を用いた実験からプロモーター領域のメチル化が血液型遺伝子の組織特異的発現に関与していることが示された。また、癌細胞におけるABO式血液型抗原の欠失は癌化に伴うプロモーター領域のメチル化である可能性が示唆される。
以上から、ABO式血液型遺伝子の転写調節の概要が解明されたことになる。
(1) 5'RACE Systemを用いた実験から、胃癌細胞、赤血球細胞系で転写が同様な位置から始まる。
(2) 胃癌細胞、赤血球系細胞を用いたプロモーターアッセイからABO式血液型遺伝子の転写において転写開始点付近(-117/+31)が必要条件である。
(3) 胃癌細胞を用いたプロモーターアッセイから転写開始点の上流3.2kbから4.Okbの領域に存在するミニサテライトが転写を促進する。そこには転写囚子CBF/NF-Yが結合する。
(4) ABO式血液型遺伝子の転写開始点の周囲の約1.3kbの領域はCpG islandの特徴を持ち、転写開始点の上流1kbから2kbにかけてAlu配列が2つ向かい合わせに存在する。Methylation Specific PCR法、メチル化したレポーターを用いたプロモーターアッセイ、DNA methyltransferaseの阻害剤を用いた実験からプロモーター領域のメチル化が血液型遺伝子の組織特異的発現に関与していることが示された。また、癌細胞におけるABO式血液型抗原の欠失は癌化に伴うプロモーター領域のメチル化である可能性が示唆される。
以上から、ABO式血液型遺伝子の転写調節の概要が解明されたことになる。
- ID情報
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- 課題番号 : 09670433
- 体系的番号 : JP09670433