2010年2月
金属格子間隙に導入された荷電粒子と局在$f$電子の静電相互作用; $f$電子系金属間化合物PrPb$_3$における$\mu^+$SR
固体物理
- ,
- 巻
- 45
- 号
- 2
- 開始ページ
- 101
- 終了ページ
- 109
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- アグネ技術センタ-
局在$f$電子系の格子間隙に+1価の荷電粒子を導入した際に、最近接位置の局在$f$電子がいかなる影響を受けるかという問題に対し、PrPb$_3$における$\mu^+$SRにより明らかになった知見について解説する。PrPb$_3$に$\mu^+$を打ち込んだ際、$\mu^+$は2つのPrイオンに挟まれた位置に停止し、周囲の結晶場に摂動を加える。この効果は最近接Prの増強核磁性に極めて強い異方性を与えることが零磁場$\mu$SRにより明らかになった。この異方性は結晶場の低対称化による$f$電子磁化率の変化に帰することができる。ただし、点電荷モデルに基づく考察からは、$\mu^+$サイトに負の有効電荷が生じているという結論が導かれる。この有効電荷の符号の逆転から、結晶場に対する伝導電子の寄与の重要性が示唆される。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0454-4544
- CiNii Articles ID : 40017025651
- CiNii Books ID : AN00092629