共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2022年3月

医療ビックデータを用いた治療待ち期間と医療提供体制の関連についての研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
20K18898
体系的課題番号
JP20K18898
配分額
(総額)
2,600,000円
(直接経費)
2,000,000円
(間接経費)
600,000円

本年度はDPCデータベースのデータクリーニングを行った上で、子宮頸がん、乳がん、肺がんの治療待ち日数の算出を行った。治療待ち日数の算出にあたっては、各疾患で確定診断に用いる検査をガイドラインで確認しながら、診療報酬上で同定し、診療行為マスター(社会保険診療報酬審査支払基金が提供)のコードと紐づけを行った。治療については、各疾患の根治的手術について、診療報酬上で同様に同定して、診療行為マスターで紐づけした。これらを用いて、DPCデータベースより、診断確定日(検査実施日)、治療実施日を確認して、患者個人ベースで治療待ち日数を算出した。
子宮頸がんについては、入院・外来データが紐付き、手術を行なったケース6000例が同定された。確定診断の検査実施から手術実施までの期間は平均53.7日(±55.3)で、右にSkewした分布となり、中央値は39日(26-60)であった。乳がんについては、入院・外来データが紐付き、手術を行なったケース64,272例が同定された。確定診断の検査実施から手術実施までの期間は平均60.8日(±58.1)、中央値は43日(30-62)で、40日と220日で2峰性の分布となっていた。
肺がんについては、気管支鏡下肺生検またはCTガイド下肺生検を行ない、かつ肺悪性腫瘍手術を行なった症例のみを対象としたところ、入院・外来データが連結されたケースでは、24,318例が同定された。確定診断の検査実施から手術実施までの期間は平均48.9日(±73.7)、中央値は43日(30-62)で、右にSkewした分布となっていた。
子宮頸がんと乳がんについては、確定診断は外来のみで通常完結できると考えられるが、肺がんについては、入院と外来の両方で確定診断の検査を実施している例があり、症例数と日数について疑義があるため、データ分析のプログラムを変更して再計算している。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K18898
ID情報
  • 課題番号 : 20K18898
  • 体系的課題番号 : JP20K18898