片頭痛日本人患者においてセロトニン(5-HT)2A受容体遺伝子A-1438G多型が関連する可能性を検討した。対象は片頭痛患者82名(男17名、女65名)と対照者115名(男31名、女84名)で、片頭痛患者の前兆有り(MA)と前兆無し(MO)の比率(MA:MO)は、全体で20:62、男性で3:14、女性で17:48であった。5-HT2A A-1438G多型の遺伝子型はPCR-制限酵素断片長多型法で決定した。その解析結果から、5-HT2A A-1438G遺伝子型頻度の分布は片頭痛患者と対照者で異ならないことが分かった。この結果から、5-HT2A受容体遺伝子の5-HT2A A-1438G多型は片頭痛の直接の危険因子ではないことが示唆された。一方、MAとMOとの間ではA/A遺伝子型の発生率が有意に異なっていた。以上より、5-HT2A A-1438G多型は日本人片頭痛のサブタイプの決定に関与すると思われた。