基本情報

学位
博士(文学)(2022年2月 早稲田大学)

研究者番号
80847294
J-GLOBAL ID
202001010278878041
researchmap会員ID
R000010274

mail: nagashima.iku★gmail.com
academia.edu: https://waseda.academia.edu/IkuNagashima

【研究】

 暴力は、人間の社会を規定するおもな要素のひとつです。そして戦争軍隊は、暴力にもっとも密接な関係のある事象です。
 今日、暴力を考察するうえで欠かせないのは、紛争やテロによってイメージされがちな中東・東欧という地域の理解です。この地域の特徴は、現代において紛争地帯となっていることはさりながら、近代において激しい暴力に曝されたことです。かつて中東・東欧を支配したオスマン帝国(1299-1922)は、ヨーロッパ列強やバルカン諸国に対して幾度もの敗戦を重ねながら領土を失い、トルコ共和国になりました(地図参照)。しかもその過程では、イスラーム教徒やキリスト教徒などの多宗教、そして多民族が生活したオスマン帝国において、宗教・民族間対立が激化し、その結果として軍人・民間人あわせて約1600万人以上が死亡、もしくは難民となりました。
 一般的に戦争や軍隊の歴史、すなわち軍事史は、歴史学の中でもマイナーな領域であり、オスマン帝国もその例に漏れません。しかし、今日の中東・東欧の社会へ紛争の火種を残した近代史について理解するためには、軍事史に注目する必要があります。そこで私は、組織、装備、思想(軍国主義や戦略・戦術の選好など)といった軍事史の基礎項目を研究するほか、暴力について詳細な分析を行う事例として、分離独立を求めて闘争する武装組織に対する鎮圧のような、非国家主体を一方の交戦主体とするために非正規戦争と呼ばれる戦争について分析しています。

※詳しい研究内容についてはリンク先をご参照ください。
※博士論文をもとにした研究書を準備中です(2025年秋出版予定)。
※オスマン帝国の軍事史に関する一般向けの書籍を3冊、準備中です。

【教育】

 私は、報道サブカルチャーSNSを通じて形成される疑問や課題に対して、研究で得られた知見や手法をもとに向き合う講義を設定しています。具体的には、イスラーム教はテロリストたちの危険な宗教なのかという疑問、さらにはそもそも中東・東欧にどんな文化があるかわからないという課題に、軍事史を軸とする通史やサブカルチャーを入口とする概説によって対応する講義です。
 また、生成AIの利用が拡大する今日の状況をうけて、演習においては、歴史学の手法、すなわち文献を探し、読んだ上で、論証をするという行為を教えることで、AIの生成する情報を吟味する能力の養成を目指しています。

※詳しい教育内容についてはリンク先をご参照ください。
※早稲田大学、成蹊大学、植草学園大学などで130〜10人程度の学生へ講義、資料講読、演習の授業を行っています。
※トルコ初のコミコンの運営やトルコ弓術(トルコの伝統的な弓術)などの経験も教育、そして講演などのアウトリーチ活動に活かしています。

【東欧・中東地図】
(点線:1900年のオスマン帝国国境、網掛け:トルコ共和国領土)


研究キーワード

  7

書籍等出版物

  4
  • NPO法人日本トルコ交流協会監修、ヤマンラール水野美奈子、佐々木紳編著 (担当:共著, 範囲:「はじめて日本語を学んだ「土耳其」軍人:ムスタファ・アースム」(第10章), pp.199-210)
    勉誠社 2025年12月25日 (ISBN: 9784585325598)
  • 永島 育
    山川出版社 2025年11月10日 (ISBN: 9784634673984)
  • 老川慶喜, 小野田滋, 柿崎一郎, 高嶋修一, 鴋澤歩, 渡邉恵一編 (担当:分担執筆, 範囲:「アラビア半島鉄道史」「トルコ鉄道史」「トルコの鉄道博物館」, pp.362-363, 364-365, 424)
    朝倉書店 2024年11月1日 (ISBN: 9784254500370)
  • Ryō Miyashita, Esin Esen (eds.) (担当:共著, 範囲:"Turks in Japanese “Oriental History” and Translations of Turkic Inscriptions" (Chapter 7), pp.141-162)
    Berlin: Peter Lang 2019年5月 (ISBN: 9783631781739)

論文

  9

講演・口頭発表等

  19

MISC

  27

受賞

  1

担当経験のある科目(授業)

  16

所属学協会

  7

共同研究・競争的資金等の研究課題

  5

学術貢献活動

  8

社会貢献活動

  14