共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

データサイエンスを導入した原子間力顕微鏡による四重鎖DNA検出法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K06504
体系的課題番号
JP20K06504
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

近年、DNAの特殊な構造の一つであるグアニン四重鎖構造がヒトゲノム(全DNA)上に多数存在し、がん等の疾病の治療のターゲットになり得る事が分かってきた。どのような配列が実際に四重鎖を形成し、疾病と関連しているのかを明らかにすることが喫緊の課題である。
本研究では、四重鎖構造を直接検出可能な原子間力顕微鏡(AFM)を使用して一度に多数のDNA分子の構造情報を測定し、機械学習を活用して新たな四重鎖識別法と四重鎖-タンパク質複合体識別法を開発し、疾病の原因となりうる四重鎖とタンパク質の相互作用を評価する手法を構築することを目的としている。
令和2年度には、基板上に固定した既知のDNAをAFM(原子間力顕微鏡)によって高解像度に測定し、各分子の粒子としての多数の表面形状パラメータを抽出した。機械学習によって解析して四重鎖DNAを識別する分類器を作成して、一本鎖、二本鎖と四重鎖の分子構造を高い精度で識別する事が可能な表面形状パラメータの同定に成功した。
そこで、令和3年度は、大腸菌ゲノムに存在する未知の四重鎖を形成する可能性のあるDNA分子を調製し、令和2年度に確立した方法で解析を行った。同時にNMR法によって実際に四重鎖を形成しているかどうかを確認した結果、本研究で開発した四重鎖判別法によって四重鎖を形成すると判定されたDNAは、NMRによっても安定な四重鎖を形成していることを示す結果が得られた。さらに、本研究による四重鎖検出法では、100%四重鎖を形成している状態だけでなく、一本鎖、二本鎖の構造と四重鎖が混ざり合っている状態も評価できることが示唆された。
また、前年度より高品質のデータを取得し、機械学習による解析の高精度化を行ったことで、四重鎖形成を示す新たなパラメータが得られた事から、四重鎖判別法の高精度化が可能になった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K06504
ID情報
  • 課題番号 : 20K06504
  • 体系的課題番号 : JP20K06504