共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

数学教育における生徒の価値観形成に対する教師の影響についての研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H01737
体系的課題番号
JP19H01737
配分額
(総額)
13,780,000円
(直接経費)
10,600,000円
(間接経費)
3,180,000円

本研究は,日本の数学教育における生徒の価値観の形成に及ぼす教師の影響を明らかにすることを目的としている。そのため,2019年度は,国際比較調査「第三の波」において開発された質問紙WIFItooを用いて,数学教師と彼らが担当する生徒を対象とした質問紙調査を実施し,生徒と教師の価値観の関係の特徴を明らかにすることを目指した。
当初,北海道,秋田,埼玉,東京,大阪,広島,宮崎の7都道府県を対象地域とした質問紙調査を計画したが,2019年度は,研究協力校との調整ができた秋田,東京,宮崎の3都県で調査を実施した。また,研究分担者の働きかけにより,千葉の学校でも実施した。(秋田:4校,教師4名,生徒227名;東京:1校,教師3名,生徒182名;宮崎:3校,教師3名,生徒270名;千葉:1校,教師2名,生徒138名)収集したデータは各都県別に分析した。
宮崎の分析結果として,3事例それぞれの教師と生徒の価値観の関係の特徴や,数学授業における価値観の形成過程の特徴を明らかにした。また,3事例に共通する特徴として,数学教育的価値観の下位次元のうち,「他者の解説」は教師から生徒へ引き継がれるが,「才能」,「厳しさ」,「数学世界における事実」,「現実世界での使用」,「創造」は教師にも生徒にも受け入れられなかったことや,価値観の形成過程パターンとして,生徒の価値観が形成される3パターン(「教師重視-生徒は教師重視と認識-生徒重視」,「教師重視せず-生徒は教師重視と認識-生徒重視」,「教師重視-生徒は教師重視と認識せず-生徒重視」)と,形成されない3パターン(「教師重視せず-生徒は教師重視と認識せず-生徒重視せず」,「教師重視せず-生徒は教師重視と認識-生徒重視せず」,「教師重視-生徒は教師重視と認識せず-生徒重視せず」)を導出した。この結果については,全国数学教育学会にて研究発表を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H01737
ID情報
  • 課題番号 : 19H01737
  • 体系的課題番号 : JP19H01737