2020年1月
東日本大震災被災地における避難施設内真菌叢に関する研究
日本防菌防黴学会誌
- 巻
- 48
- 号
- 1
- 開始ページ
- 3
- 終了ページ
- 9
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本防菌防黴学会
東日本大震災被災地の4避難施設において、真菌叢調査を行った。その結果、室内空気中の浮遊真菌数は、真菌汚染の基準とされる1,000CFU/m3以上となった施設は無く、ヒト危害性の高い菌種の検出濃度も低かったことから、直接的な健康被害の原因となる真菌の異常発育は確認されなかった。しかし、Aspergillus属菌の菌数および菌種は、一般家屋室内と比較して異常な状態を示し、注意が必要と考えられた。また、避難施設の清掃ボランティアチームの衛生活動と施設内の真菌叢変動との関連性について検討したところ、本活動は、避難施設内の真菌叢正常化に対して一定の効果をもたらしたことが示された。しかし、効果の継続性はなく、定期的な清掃が必要不可欠であることが明らかとなった。避難施設は真菌叢が変化しやすい環境であることを認識し、衛生状態に留意しなくてはならない。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 2187-431X
- 医中誌Web ID : 2020209055