2017年4月 - 2020年3月
未承認医療技術への患者アクセスのあり方に関する研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
- 課題番号
- 17K17665
- 体系的課題番号
- JP17K17665
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 3,900,000円
- (直接経費)
- 3,000,000円
- (間接経費)
- 900,000円
- 資金種別
- 競争的資金
本年度は、先行研究および関連情報の収集を継続し、また、患者団体のウェブサイト調査に着手した。
1.先行研究と関連情報の収集:公開情報の収集と米国研究者へのヒアリングを実施した。米国では2018年5月末に、FDAの関与を介さずに、患者が医師を介して直接製薬企業などに未承認薬の使用を求めることを認める連邦法(Right-to-try (RTT)法)が成立した。RTT法制に対する賛成意見として、治験薬を治療利用しやすくなり患者が救われる・患者の治療選択肢が広がることが挙げられた。反対意見として、RTTは製薬企業に治験薬提供を義務づけておらず、患者が治験薬を利用する可能性を広げるものではないこと・患者のRTT治療に関連する直接経費の支払いを保険者に義務づけるものではなく、新たな権利や保護を与えるものではないこと・被験者保護の観点から重要な、治験薬の安全性・有効性に関する独立した審査が省かれていること・「積極的な開発中」という要件があいまいであり、患者が不当なリスクにさらされる可能性があることなどが指摘された。既存のExpanded Access (EA)Programと比較して患者へのメリットが大きくないというのが主な評価であった。
2.患者団体ウェブサイト調査:米国の研究者と意見交換を行い、患者団体のウェブサイトで未承認医療技術の利用方法の情報がどの程度発信されているか調査することとした。日本での未承認医療技術の利用方法としては、臨床試験・拡大治験・患者申出療養制度とし、ウェブサイトの掲載内容を分析する予定としている。本調査を実施することで、2016年に導入された拡大治験・患者申出療養制度が患者に与えたインパクトを推測することができると考えている。
1.先行研究と関連情報の収集:公開情報の収集と米国研究者へのヒアリングを実施した。米国では2018年5月末に、FDAの関与を介さずに、患者が医師を介して直接製薬企業などに未承認薬の使用を求めることを認める連邦法(Right-to-try (RTT)法)が成立した。RTT法制に対する賛成意見として、治験薬を治療利用しやすくなり患者が救われる・患者の治療選択肢が広がることが挙げられた。反対意見として、RTTは製薬企業に治験薬提供を義務づけておらず、患者が治験薬を利用する可能性を広げるものではないこと・患者のRTT治療に関連する直接経費の支払いを保険者に義務づけるものではなく、新たな権利や保護を与えるものではないこと・被験者保護の観点から重要な、治験薬の安全性・有効性に関する独立した審査が省かれていること・「積極的な開発中」という要件があいまいであり、患者が不当なリスクにさらされる可能性があることなどが指摘された。既存のExpanded Access (EA)Programと比較して患者へのメリットが大きくないというのが主な評価であった。
2.患者団体ウェブサイト調査:米国の研究者と意見交換を行い、患者団体のウェブサイトで未承認医療技術の利用方法の情報がどの程度発信されているか調査することとした。日本での未承認医療技術の利用方法としては、臨床試験・拡大治験・患者申出療養制度とし、ウェブサイトの掲載内容を分析する予定としている。本調査を実施することで、2016年に導入された拡大治験・患者申出療養制度が患者に与えたインパクトを推測することができると考えている。
- リンク情報
- ID情報
-
- 課題番号 : 17K17665
- 体系的課題番号 : JP17K17665
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
2-
Comparative Assessment of Non-trial Access to Investigational Medical Products in the U.S. and JapanTherapeutic Innovation & Regulatory Science 55(2) 401-407 2021年3月23日 査読有り筆頭著者責任著者
-
科学技術社会論研究 18 161-176 2020年 査読有り