2018年3月
統合失調症における抗グルタミン酸受容体抗体価の検討
大和証券ヘルス財団研究業績集
- 巻
- 41
- 号
- 41
- 開始ページ
- 88
- 終了ページ
- 91
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (公財)大和証券ヘルス財団
グルタミン酸受容体のNR1およびNR2サブユニットの一部ドメインの合成ペプチドを抗原として、ELISAにて抗グルタミン酸受容体抗体の抗体価を測定し、対照群と比較検討した。計136名の統合失調症圏の患者血清を対象とした。統合失調症圏の患者と対照群においては、抗GluN2B-NT2抗体および抗GluD2-NT抗体の抗体価に有意な違いが認められた。抗GluD2-NT抗体の統合失調症における意義はこれまで議論されておらず、今後、本抗体が統合失調症全体の疾患マーカーとなる可能性が期待される。一方、抗GluN2B-NT2抗体の値は、対照群に比べて統合失調症群において有意に低い値が認められた。この値は統合失調症圏の患者を一群としてとらえたものであるが、統合失調症圏の患者を一群として扱うのではなく、抗体価の高い自己免疫の関与が推定される群を抽出して臨床的特徴を評価し、本抗体の病的意義を検証することが求められる。
- リンク情報
- ID情報
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- 医中誌Web ID : 2018278003
- J-Global ID : 201802259198111363