共同研究・競争的資金等の研究課題

2015年5月 - 2020年3月

人の認知・判断の特性と限界を考慮した自動走行システムと法制度の設計

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(S)  基盤研究(S)

課題番号
15H05716
配分額
(総額)
199,420,000円
(直接経費)
153,400,000円
(間接経費)
46,020,000円

ヒューマンファクター(HF)研究アスペクトでは、自動運転における運転行動記述法としてSTAMP/STPAを検討し、踏切制御構造の記述、複数の遠隔操縦ロボットの衝突回避のための条件記述を行った。また、レベル3の自動運転中に発出される運転交代要請(RTI)へ対応可能なセカンダリタスクの条件についての検討を開始した。また、道路交通システムのレジリエンス維持に必要な自動走行システム/運転者のレジリエンス能力を検討した。
エンジニアリングデザイン(ED)研究アスペクトでは、レベル2の自動運転において、運転者とシステムとの会話は、(1)運転者の状況認識の質を高めるうえで有効であること、(2)会話の頻度が高い方が自動制御モードから手動制御モードへ切替えた場合の運転が安定すること、(3)会話はレベル2の自動運転における負担軽減に寄与する可能性があること、等を示した。また、周辺視野域への視覚的刺激提示による注意誘導効果について、注意誘導効果が得られる刺激提示範囲や視覚的刺激の誤提示に対する注意誘導の副作用などを検討し、実装設計のために必要な定量的数値の明確化をはかった。
権限と責任(AR)研究アスペクトでは、2017年度の成果のひとつである「レベル3の自動運転において、RTI発出にも関わらず運転者が適時適切にシステムから権限を引き継がないときはシステムがリスク最少化制御を行うべきである」との知見が2018年6月発行の国交省「自動走行車の技術ガイドライン」に採用されたことを受け、それを同省の「電子牽引による後続無人隊列走行」の基本設計書にも反映させた。また、RTIに基づく権限委譲時に、システムとドライバの双方が横方向制御を行わない「空白状態」が出現する可能性があることを示した。さらに、その空白を埋めるものとして、haptic shared controlを用いた運転権限委譲法を提案した。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-15H05716/15H05716_saitaku_gaiyo_ja.pdf
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-15H05716/15H05716_saitaku_shoken_ja.pdf
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-15H05716/15H05716_kenkyu_shinchoku_hyoka_gaiyo_ja.pdf
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-15H05716/15H05716_kenkyu_shinchoku_hyoka_keka_ja.pdf
ID情報
  • 課題番号 : 15H05716