2020年10月 - 2023年3月
長期の深宇宙ミッション遂行能力を有する超小型探査機システムの研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 学術変革領域研究(B) 学術変革領域研究(B)
1 km/s 前後の増速が可能なキックモータ(軌道変換用上段ロケット)を搭載し,静止トランスファー軌道(GTO)や月軌道プラットフォームゲートウェイ(GW)から月,火星,金星などの深宇宙に向かう探査ミッションを高頻度に実施できる超小型探査機システムを実現することが本研究の目的である.
2021年度は,提案する超小型探査機システムの実現にあたっての最重要課題である,キックモーター作動時の姿勢・軌道制御系の設計を行った.深宇宙脱出のための高推力噴射は,質量が軽い超小型探査機に対してこれまでにない強い推力擾乱を与える.これに対処するため,スピン制御による姿勢安定方式と超小型機に適したシンプルな姿勢決定手法を適用した外乱に強い姿勢決定・制御システムを提案し,スピンレートや姿勢決定精度など重要な設計パラメータ間の相互依存関係を明らかにした.また,打ち上げ時期や放出軌道を選べないという相乗り打ち上げ機会利用における制約を緩和するため,各種誤差への柔軟な対処による燃料節約と,打ち上げ時期制約の緩和を可能にする軌道制御手法を提案した.そして,提案する深宇宙脱出シーケンスと一連の姿勢・軌道制御系設計手順の有効性を,具体的なミッション例として火星フライバイミッションを想定したケーススタディ(シミュレーション)を通じて検証した.
また,超小型探査機システムの詳細設計の確定に向けて,システムの根幹部分である電源系,姿勢軌道制御系および推進系サブシステムを中心に,GTO軌道への相乗り打ち上げ条件を想定して設計を進め,システムの成立性を確認した.
2021年度は,提案する超小型探査機システムの実現にあたっての最重要課題である,キックモーター作動時の姿勢・軌道制御系の設計を行った.深宇宙脱出のための高推力噴射は,質量が軽い超小型探査機に対してこれまでにない強い推力擾乱を与える.これに対処するため,スピン制御による姿勢安定方式と超小型機に適したシンプルな姿勢決定手法を適用した外乱に強い姿勢決定・制御システムを提案し,スピンレートや姿勢決定精度など重要な設計パラメータ間の相互依存関係を明らかにした.また,打ち上げ時期や放出軌道を選べないという相乗り打ち上げ機会利用における制約を緩和するため,各種誤差への柔軟な対処による燃料節約と,打ち上げ時期制約の緩和を可能にする軌道制御手法を提案した.そして,提案する深宇宙脱出シーケンスと一連の姿勢・軌道制御系設計手順の有効性を,具体的なミッション例として火星フライバイミッションを想定したケーススタディ(シミュレーション)を通じて検証した.
また,超小型探査機システムの詳細設計の確定に向けて,システムの根幹部分である電源系,姿勢軌道制御系および推進系サブシステムを中心に,GTO軌道への相乗り打ち上げ条件を想定して設計を進め,システムの成立性を確認した.
- ID情報
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- 課題番号 : 20H05748
- 体系的番号 : JP20H05748