2018年
Respiratory modulation of cognitive performance during the retrieval process
PLos ONE
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- 巻
- 13
- 号
- 9
- 開始ページ
- e0204021
- 終了ページ
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.1371/journal.pone.0204021
これまで半世紀におよぶヒトを用いた研究では、呼吸のタイミングが認知課題の反応時間と正答率を変えるが、それらは矛盾する結果が示されてきた。実際に、呼吸がどのようにヒトの課題遂行のパフォーマンスを変えるかについて明らかにされていない。本研究では、被験者に鼻カニューレを装着し呼吸を計測しながら、再認記憶課題を行ってもらった。呼吸の呼息-吸息相転移期 (EI transition)、すなわち、息吸う瞬間というタイミングが、記憶想起過程の最中に入り込むと、課題の正答率を著しく低下し、反応時間が延長するという驚くべき結果を示した。一方、吸息-呼息転移期、すなわち、息を吐く瞬間というタイミングでは、そのような変化は生じなかった。これらの結果は、日常生活において、呼吸が、認知機能のパフォーマンス成功の維持や安定性に大きく影響を及ぼすことが示唆された。
- ID情報
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- DOI : 10.1371/journal.pone.0204021