2007年12月
海産物摂取による大気圏内核実験からの実効線量の算出
保健物理
- 巻
- 42
- 号
- 4
- 開始ページ
- 329
- 終了ページ
- 340
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.5453/jhps.42.329
- 出版者・発行元
- 日本保健物理学会
地球規模での環境保護が求められている現在、核燃料サイクル施設から水圏への長期的な環境影響評価もまた、原子力利用の長期的リスク低減のためにより重要になる。日本のみならず近隣諸国を含む長期的リスクの評価は、原子力産業の持続的発展に必要であると考えられる。著者は長期的海洋環境放射能評価モデル(LAMER)を使って大気圏内核実験による海水及び海底土中放射性核種の分布を再現した。LAMERは海洋大循環モデル(OGCM)と協働して大洋及び日本海での放射性物質の移流・拡散・スキャベンジング過程を計算し、正しいことが確認された。著者はモンテカルロ法により、ICRPが提案した確率論的線量を大気圏内核実験に起因する海産物摂取に関して計算することを試みた。それぞれのパラメータの偏差にも依存するが、試算においては確率論的評価の95\%値は決定論的評価の95\%の約半分だった。このことは、確率論的評価は核燃料サイクル施設の線量評価上、より最適化された方法であることを意味する。
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.5453/jhps.42.329
- ISSN : 0367-6110
- CiNii Articles ID : 110006611862
- CiNii Books ID : AN00228458