共同研究・競争的資金等の研究課題

2011年 - 2013年

新規カルシウムチャネル輸送制御分子の生理的意義の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
11J05372
体系的課題番号
JP11J05372
配分額
(総額)
1,900,000円
(直接経費)
1,900,000円

神経系において、カルシウムチャネルは神経伝達物質流出やシナプスの可塑性、神経の発達といった、様々な生理応答を担う重要なカルシウムの流入経路である。近年、当研究室ではカルシウムチャネルの形質膜発現を制御する新規タンパク質であるCaprinを同定した。本年度は、Caprinノックアウトマウスの示す様々な行動異常の分子基盤の検討のため、多点細胞外電位記録システムを用いて海馬スライスにおけるシナプス可塑性を評価した。短期可塑性の評価のためにpaired-pulse facilitation (PPF)を、長期可塑性の評価のためにlong-term potentiation (LTP)を野生型のマウスとCaprinノツクアウトマウスで比較した。その結果CaprinノックアウトマウスにおいてPPFの有意な減弱、及びLTPの有意な減弱が観察された。このことからプレシナプスにおけるカルシウムチャネル及びポストシナプスにおけるカルシウムチャネル共にCaprinによって制御を受けていることを明らかにした。
これらに加え、欠神てんかんのモデルマウスとして知られているカルシウムチャネル点変異マウスtotleringの海馬における神経ネットワーク活動の異常を明らかにし、その原因がGABA応答の未成熟化にあることを突き止めた。このことにより海馬を原因とする欠神てんかんの併存症としての認知機能障害のメカニズムの一端を明らかにした。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-11J05372
ID情報
  • 課題番号 : 11J05372
  • 体系的課題番号 : JP11J05372