中嶋 聡一

老化や糖尿病によって体内に蓄積される物質にAGEs（最終糖化産物）と呼ばれるものがあります。私はこの糖化産物および糖化タンパク質が老年疾患や糖尿病合併症に与える影響を明らかにし、これを克服できる作用をもつ物質の探索を行うことで、新たな治療方針（新たなアンチエイジング）の提案を行っています。例えば、糖化産物の一種が神経新生を強く抑制する可能性を発見したことから、認知症の新たな治療方針の一助として、『老年脳で起こりにくくなった神経新生を起こりやすくする』物質を天然物から探しています。対象とする疾患としては、健康に関与するものとして「生活習慣病（肥満、血圧、糖尿病など）」、「がん」、「アレルギー」、「炎症」、「認知症」など、また化粧品原料に関わるものとして「美白」、「コラーゲン合成」など多岐にわたり評価しています。

また、作用化合物に特異的に結合するタンパク質を検出し、ターゲットタンパク質かどうかを評価した上で、「ターゲットタンパク質を利用した作用成分の直接的単離法の開発」もおこなっております。