東京電力福島第一原子力発電所事故後の環境回復および廃止措置のための日本原子力研究開発機構の研究開発
13th Vietnam Conference on Nuclear Science and Technology (VINANST-13)
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- 開催年月日
- 2019年8月
- 記述言語
- 英語
- 会議種別
- 国・地域
- ベトナム
日本原子力研究開発機構(JAEA)は国内唯一の総合的な原子力に関する研究開発機関として、東京電力福島第一原子力発電所事故後の環境回復および事故を起こした発電所の廃止措置のための技術的支援をしてきた。2011年の事故直後には、JAEAは環境除染のいろいろな方法の効果を調べるための除染モデル実証事業、および車両を使った走行サーベイ・無人ヘリを使った航空機サーベイなどによる広範囲の放射線測定を行った。このようなオフサイトの活動に加え、2015年からは、損傷した原子炉と汚染した発電所サイトの廃止措置のための研究開発、いわゆるオンサイトのための研究開発に乗り出した。この分野におけるJAEAの研究開発は、炉の解体および解体に携わる作業員の安全の確保を目的とした遠隔技術の開発や事故で発生した放射性廃棄物及び燃料デブリの分析・特性評価のための研究開発から、事故シナリオ解明のための研究や革新的な放射線検知技術の開発などの基盤的な研究開発まで広範囲に及んでいる。そしてまたJAEAはこれらの研究開発を行う設備も整備してきた。事故を起こした原子力発電所の廃止措置・環境回復は30年、40年と言った長期に亘ると予想され、そのための人材育成が不可欠である。JAEAの研究開発設備は、これらの長期に亘る廃止措置や環境回復に携わり、またそれらを次の世代に継承する人材を国内外に生み出すことが出来る場として活用可能である。