2021年10月 - 2026年3月
東南アジアにおけるキャッサバモザイク病抵抗性品種の作出に向けた技術基盤の構築
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)) 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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近年東南アジアではSri Lankan cassava mosaic virus (SLCMV) によるキャッサバモザイク病 (CMD)が甚大な被害をもたらしている。本研究ではアジアのキャッサバ栽培品種にCMD抵抗性を効率的に付与する技術の開発をベトナムの研究機関との国際共同研究で進めてCMD問題の解決を目指す。そのために1. CMD抵抗性を評価する方法を定めると共に、2. DNAマーカー選抜や3. ゲノム編集による分子育種の技術基盤を整える計画である。
1. CMD抵抗性を評価手法に関して、新潟大学においてSLCMVの全長cDNAから作製した感染性クローン(東京大学、宇垣正志博士より提供)を用いたアグロインフィルトレーション法による簡易接種法を開発中である。ベンサミアナタバコに接種することで葉にモザイク病徴が発生することが確認できた。来年度キャッサバでの接種系の確立を向けて、幼植物体の人工気象装置内で栽培を開始した。
2.アフリカのキャッサバ系統のキャッサバモザイクウイルスに対する抵抗性QTLとして、第12染色体上に位置するCMD2と、第14染色体上の2つのピークが知られており、それらQTL近傍のSNPに設計したdCAPSマーカーを開発して、CMD抵抗性系統とアジア栽培品種間の交配後代の遺伝子型の判別を終えた。
3. ゲノム編集で遺伝子を改変してキャッサバにCMD抵抗性を付与する。SLCMVが属するベゴモウイルス属ウイルスに対する免疫応答に関与する遺伝子の機能解析を進めた。候補遺伝子について野生型及びキナーゼドメインのスレオニンをアスパラギン酸に置換したリン酸化模倣型をCaMV35Sプロモーターに連結して過剰発現させた形質転換キャッサバを作出した。今後候補遺伝子のキャッサバにおけるCMD抵抗性誘導能を検証予定であり、有効性が確認された場合はゲノム編集により抵抗性を付与する。
1. CMD抵抗性を評価手法に関して、新潟大学においてSLCMVの全長cDNAから作製した感染性クローン(東京大学、宇垣正志博士より提供)を用いたアグロインフィルトレーション法による簡易接種法を開発中である。ベンサミアナタバコに接種することで葉にモザイク病徴が発生することが確認できた。来年度キャッサバでの接種系の確立を向けて、幼植物体の人工気象装置内で栽培を開始した。
2.アフリカのキャッサバ系統のキャッサバモザイクウイルスに対する抵抗性QTLとして、第12染色体上に位置するCMD2と、第14染色体上の2つのピークが知られており、それらQTL近傍のSNPに設計したdCAPSマーカーを開発して、CMD抵抗性系統とアジア栽培品種間の交配後代の遺伝子型の判別を終えた。
3. ゲノム編集で遺伝子を改変してキャッサバにCMD抵抗性を付与する。SLCMVが属するベゴモウイルス属ウイルスに対する免疫応答に関与する遺伝子の機能解析を進めた。候補遺伝子について野生型及びキナーゼドメインのスレオニンをアスパラギン酸に置換したリン酸化模倣型をCaMV35Sプロモーターに連結して過剰発現させた形質転換キャッサバを作出した。今後候補遺伝子のキャッサバにおけるCMD抵抗性誘導能を検証予定であり、有効性が確認された場合はゲノム編集により抵抗性を付与する。
- ID情報
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- 課題番号 : 21KK0110
- 体系的課題番号 : JP21KK0110