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2014年3月

ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACI)を用いたエピジェネティクス制御による細胞分化制御を利用した新規骨増成法に関する研究

日本歯科医学会誌
  • 秋葉 陽介
  • ,
  • 江口 香里
  • ,
  • Rashid Md. Mamunur
  • ,
  • 加来 賢
  • ,
  • 秋葉 奈美
  • ,
  • 魚島 勝美

33
開始ページ
44
終了ページ
48
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本歯科医学会

ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACI)は抗癌剤、抗てんかん薬として臨床応用される薬剤である。HDACIは遺伝子発現過程においてクロマチンリモデリングに関与し、遺伝子発現を活性化することが知られている。骨形成関連においてはRunx2の安定化に関与し骨芽細胞の分化を促進する作用が報告されている。そこで本研究では、はじめに上顎骨円筒形骨欠損修復モデルを用いてHDACIの全身投与における骨形成能の賦活化を検討することとした。HDACIにはバルプロ酸(Valproic acid(VPA))を使用し、投与法は腹腔内投与、投与期間は円筒形骨欠損形成前7日間とした。VPA全身投与群では窩洞内新生骨形成能促進、円筒形骨欠損治癒促進を示す像が窩洞形成14日から21日後にかけて観察された。次に頭蓋骨限界径骨欠損細胞移植モデルを作製し、大腿骨より採取した骨髄間質細胞をVPA処理し欠損部へ移植した。VPA処理細胞移植窩洞では対照群と比較して窩洞内の石灰化の亢進が観察された。本研究より骨増成法におけるHDACIの有効性が示され、更にHDACIの多機能性を応用した新規骨増成法開発の可能性が示唆された。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0286-164X
  • 医中誌Web ID : 2014192179

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