共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

2次元物質におけるスピン機能開拓とキラリティ制御

日本学術振興会  科学研究費助成事業  特別研究員奨励費

課題番号
21J00419
体系的番号
JP21J00419
配分額
(総額)
4,810,000円
(直接経費)
3,700,000円
(間接経費)
1,110,000円

FGTは空気や水分に弱く、取り扱いが難しいので当初の予定を変更して、他の2次元物質における電界効果によるスピン機能を目指した研究を行った。主に、FeSe、MnBi2Te4、ZrNClの電界効果を調べた。
ゲート電圧による超伝導・強磁性転移を目指し、FeSe薄膜にLiインターカレーションを行った。Liインターカレーションを行った試料にて輸送現象を測定したところ、負の磁気抵抗効果や、異常ホール効果らしき信号をとらえ、電界効果による超伝導・磁性転移の傾向を捉えた。しかし、(Li,Fe)OHFeSeにて同様の結果の報告があったため、この研究は一時保留することにした。
MnBi2Te4薄膜においてもLiインターカレーションを行い、反強磁性・強磁性転移を目指した。Liインターカレーションによるキャリア数の増大には成功したが、磁性はほとんど変化せず、むしろ消えていく結果となった。
機械剥離したZrNClにおいては、固体ゲートによる超伝導状態の実現を目指した。LiインターカレーションによってBCS-BECクロスオーバー領域に到達できた報告があるが、より低キャリア領域を詳細に調べることが目的であったが、超伝導状態の実現には至らなかった。hBNによって試料を保護し、キャリアの移動度を上げて、超伝導状態の実現を目指したが、hBNによる移動度の増加は優位ではなかった。むしろ元の試料の結晶性を上げるなどして移動度の向上を目指す必要があると結論付けた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21J00419
ID情報
  • 課題番号 : 21J00419
  • 体系的番号 : JP21J00419