共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

マイクロニードルゲル基材を用いた肝臓表面における肝組織構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
20J40152
体系的課題番号
JP20J40152
配分額
(総額)
5,200,000円
(直接経費)
4,000,000円
(間接経費)
1,200,000円

肝臓のドナー不足は世界的な問題となっている。体内での肝組織構築は、その解決が期待されるものの、豊富な血流を有する部位への移植と長期的な生体内培養が必須である。しかしiPS細胞等の腫瘍形成リスクを考慮すると、除去が容易な移植システムの確立が望まれる。本研究では肝臓表面に対して着脱可能な独自の移植システムを開発し、生体内において肝機能補助可能なレベルの肝組織を安全かつ低侵襲的に構築することを目的とする。マイクロニードルを有する生体適合性ゲルに肝細胞を包埋して肝臓表面に穿刺し、肝臓から肝再生を促す液性因子を拡散供給して肝組織化すると共に、除去可能であることを明らかにして安全かつ有効な肝再生医療を確立する。
具体的には、(1)マイクロニードルを有する生体適合性ゲル(コラーゲン等)をブタ肝臓やラット肝臓に穿刺し、基材の着脱や液性因子供給性能を評価することによってゲル基材の構造・組成を最適化する。(2)ゲル基材上で肝細胞を培養し得ることを明らかにすると共に、部分肝切除等で肝再生誘導したラット・マウスの肝臓表面に肝細胞固定化ゲル基材を穿刺して肝臓(ホスト)から肝再生を促す液性因子を拡散供給し、肝組織化及び作製した肝組織の除去を証明する。(3)本システムを用いて肝障害モデル(肝不全)マウスに肝組織を構築し、本技術の有効性(治療効果)及び作製した肝組織を他の肝不全マウスの移植治療に用い得ることを実証して応用展開に繋げる。
2020年度はアガーやアガロースを用いて、円柱状のマイクロニードルを作製した。2021年度は、マイクロニードルの形状の改良を行った。また、細胞外マトリックスを用いた基材作製も行った。マウス肝臓に対して開発したマイクロニードルによる穿刺を試み、開発した基材を用いて肝臓表面を穿刺し得ることが示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20J40152
ID情報
  • 課題番号 : 20J40152
  • 体系的課題番号 : JP20J40152