Works(作品等)

2018年2月 - 2018年2月

Suddenly Everywhere (ダンス)

  • 中島那奈子
  • ,
  • ドラマトゥルク

作品分類
芸術活動
発表場所
セゾン文化財団森下スタジオ

ダンス・デュオ「Suddenly everywhere」(ワークインプログレス)
振付・出演: ブルーノ・イサコヴィッチ、ミア・ザルカール
ドラマトゥルク: カタリーナ・ペヨヴィッチ、中島那奈子
ショーイング:(45分予定)
トーク: ブルーノ・イサコヴィッチ、中島那奈子

■作品概要
ブルーノ・イサコヴィッチとミア・ザルカールによるダンスデュエット作品Suddenly everywhereは、私たちの(不)合理な決断や存在の状態に対して影響を及ぼすものの総体を探求する。二人の身体の動きと出会いを通して、この作品は身体を満たす興奮状態の意味や性質を浮かびあがらせる。私たちはみな、私たち自身の複数の歴史の織物であり、私たちの行為は自らの経験や、不安や安心、未来に向けた個人的な目標の所産である。Suddenly everywhere は、私たちが選択する複雑な道のりの構造を脱構築し、そしてそれらの道筋の隙間を通して、ここにあるようには見えないものの視覚性を強調する。

このパフォーマンスの元になる以前のバージョンは、戯曲『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』の中でエドワード・オールビーが作り出したマーサとジョージの夫婦関係にインスピレーションを受けており、それはマイク・ニコルズ監督による同様に伝説的な映画でエリザベス・テイラーとリチャード・バートンによって演じられていた。本作品においては、マーサとジョージの対話が脱構築されることで、音響的ランドスケープが生み出され、その中でパフォーマンスもほどかれていく。男性と女性、目に見えることと隠されていること、理性的なことと非理性的なことといったパフォーマンスを支配する両極の間でなされる考察をさらに深めつつ、Suddenly everywhere はもう一つの新たな風景で満たされ、世界の東と西の間で拡張されていく。新バージョンとなる本作品では、小津安二郎監督の『浮草』における、上方歌舞伎の俳優中村鴈治郎による駒十郎と、京マチ子によるすみ子に着目する。 エドワード・オールビーの戯曲と同じように、彼らの夫婦関係の深さもまた激しさに満ちている。あらゆる感情に表現が与えられ、次の感情が表れる直前に宙づりにされる。欲望、ドラマ、策略、葛藤 、希望。それらすべてが絡み合って現れる。ニコルズの映画から小津の映画へと継続するモチーフはまた、ダンスと映画、行為と対話、意味するものと意味されるもの、そして世代や年齢の間の失われた環を提供する。私たち一人ひとりに自らの主体の構築を促しながら、この二つが組み合わされたバージョンのモンタージュはまた、批評的な視座を開いていくのだ。

リンク情報
URL
https://domino01.peatix.com