2018年4月 - 2023年3月
風の海面摩擦係数における波浪・風速変動の影響
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
大気・海洋間運動量フラックス算出に用いられる風の海面摩擦係数は一般的に風速のみの関数で表されているが、海洋観測での風速に対する風の海面摩擦係数値は大きく変動している。本研究の目的は、風波水槽およびブイ観測の両手法によって波浪や風速変動の影響を明らかにすることで信頼性の高い風の海面摩擦係数モデルを構築することである。平成30年度は、(1)小型の大気乱流・波浪同時計測ブイの構築、(2)風波水槽での風波と成分波混在状態の再現、(3)タワー観測データの解析に着手した。成果は以下の通りである。
(1)小型の大気乱流・波浪同時計測ブイの構築:開発した小型の大気乱流計測ブイを改良し、GPS波浪計測システムを装備して、小型の大気乱流・波浪同時計測ブイを構築した。そして、東京大学所有の平塚沖総合実験タワー付近での観測準備を行った。
(2)風波水槽での風波と成分波混在状態の再現:風波水槽に設置されている造波装置により成分波を生成し、風波と成分波混在状態を再現するこに成功した。さらに3種の周波数の成分波および低・中・高風速において、風の海面摩擦係数におよぼす成分波の影響を解析した結果、低・中風速では成分波が混在すると風の海面摩擦係数が増加し、高風速では風の海面摩擦係数に変化は見られないことがわかった。
(3)タワー観測データの解析:平塚沖総合実験タワーの超音波風速計データを用いて風の海面摩擦係数の変動について解析を行った結果、高風速域では風速変動、低風速域では風向変動が影響しており、風速変動だけでなく風向変動も風の海面摩擦係数に影響をおよぼしていることが新たに判明した。また、平塚沖総合実験タワー周りの風の流れについて風洞実験および数値シミュレーションにより、タワーの影響も示した。
数種の全球規模風速データセットの精度比較を行うことで、風の海面摩擦係数の信頼性の高いモデル化の構築の必要性を示した。
(1)小型の大気乱流・波浪同時計測ブイの構築:開発した小型の大気乱流計測ブイを改良し、GPS波浪計測システムを装備して、小型の大気乱流・波浪同時計測ブイを構築した。そして、東京大学所有の平塚沖総合実験タワー付近での観測準備を行った。
(2)風波水槽での風波と成分波混在状態の再現:風波水槽に設置されている造波装置により成分波を生成し、風波と成分波混在状態を再現するこに成功した。さらに3種の周波数の成分波および低・中・高風速において、風の海面摩擦係数におよぼす成分波の影響を解析した結果、低・中風速では成分波が混在すると風の海面摩擦係数が増加し、高風速では風の海面摩擦係数に変化は見られないことがわかった。
(3)タワー観測データの解析:平塚沖総合実験タワーの超音波風速計データを用いて風の海面摩擦係数の変動について解析を行った結果、高風速域では風速変動、低風速域では風向変動が影響しており、風速変動だけでなく風向変動も風の海面摩擦係数に影響をおよぼしていることが新たに判明した。また、平塚沖総合実験タワー周りの風の流れについて風洞実験および数値シミュレーションにより、タワーの影響も示した。
数種の全球規模風速データセットの精度比較を行うことで、風の海面摩擦係数の信頼性の高いモデル化の構築の必要性を示した。
- ID情報
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- 課題番号 : 18H01284
- 体系的番号 : JP18H01284
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
4-
Journal of Advanced Marine Science and Technology Society 27(1) 73-79 2022年8月 査読有り筆頭著者
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土木学会論文集B2(海岸工学) 76(2) I_1399-I_1404 2020年11月 査読有り責任著者
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Ocean Science 16(5) 1033-1045 2020年9月10日 査読有り
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Experiments in Fluids 61(6) 2020年6月 査読有り
講演・口頭発表等
15-
American Geophysical Union, Fall Meeting 2022 2022年12月16日
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ロボティクス・メカトロニクス講演会2022
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American Geophysical Union, Ocean Sciences Meeting 2022 2022年3月1日
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波浪研究集会 2021年3月1日
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American Meteorological Society 101st annual meeting 2021年1月14日
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海洋理工学会令和2年度秋季大会 2020年11月19日
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海洋理工学会令和2年度秋季大会 2020年11月19日
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海洋理工学会令和2年度秋季大会 2020年11月19日
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2020年度日本機械学会年次大会 2020年9月15日
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AGU, Ocean Sciences Meeting 2020 2020年2月20日