共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

悪性神経膠腫療法時の免疫応答とheterogeneityの関係

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K09457
体系的課題番号
JP19K09457
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

我々の研究室では、WT1を中心とする免疫療法を悪性神経膠腫に対して導入し、治療反応性に関する研究や免疫逃避現象に関する研究を行ってきた。また、同時に腫瘍抵抗性の原因として、腫瘍幹細胞の治療抵抗性とその制御、腫瘍血管正常化による治療効果について研究を進めてきた。また同時に、大規模な遺伝子解析の知見が急速に進み、分子分類による予後予測などが可能となってきている反面、腫瘍細胞の多様性・不均一性が問題となっている。クローン進化やエピゲノム変化などの内的要因に、微小環境や相互作用などの外的要因が加わり、多彩な治療反応性が作り出されると考えられる。また、免疫療法終了後に神経血管抑制薬を投与した症例やその反対の順序での薬剤投与に関して、現時点で免疫応答を予測するデータは存在しない。
神経膠腫のゲノム・エピゲノムを含むheterogeneityと免疫応答の関係性を明らかにするとともに、腫瘍幹細胞や微小環境による腫瘍免疫抑制の解明、免疫療法と新生血管抑制因子を含む分子標的薬との組み合わせやタイミングなどを検討する基礎的な研究を模索することにより、我が国発信の免疫療法を含んだ新たな臨床試験の可能性が広がり、治療成績を改善させる礎となることを期待する。
本研究では、悪性神経膠腫における腫瘍幹細胞の免疫抑制特性を確認し、治療抵抗性を生じる機構を解明し、免疫療法と血管正常化因子(新生血管抑制)の効果を様々な組み合わせで検証する実験を行う。また、腫瘍細胞のゲノム・エピゲノムと免疫応答の関係性、腫瘍のheterogeneityとの関係性を探ることにより、治療反応への影響を解明し、治療抵抗性、免疫逃避現象機構を明らかにする。さらに、より横断的な悪性神経膠腫の診断と新しい分類への試みへの応用も模索する。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K09457
ID情報
  • 課題番号 : 19K09457
  • 体系的課題番号 : JP19K09457