共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年10月 - 2027年3月

Expansion of CD4+ cytotoxic T lymphocytes and IgD-CD27- double negative B cells in COVID-19 and autoimmune diseases including IgG4-related disease

日本学術振興会  科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

課題番号
21KK0163
体系的課題番号
JP21KK0163
配分額
(総額)
18,980,000円
(直接経費)
14,600,000円
(間接経費)
4,380,000円

本プロジェクトの一年目として、2021年度はまずCOVID-19およびIgG4関連疾患における細胞障害性CD4+ヘルパーT細胞とダブルネガティブB細胞の増加と機能について明らかにするために、各々の疾患のサンプル収集を開始した。組織サンプルについては、多重蛍光染色によるそれらの細胞の局在と、タンパクの発現について解明を進めている。血液サンプルについてはフローサイトメトリーを行い、同様に解析を進めている。実際、組織や血液においては同細胞群が健常者に比較し、増加していることを確認している。今後、それらの細胞群の産生する分子を解明するため、標的分子をさらに増やし検討を続ける。
さらに得られたサンプルについて、シングルセル解析も行い、シングルセルレベルでの遺伝子の発現も検討している。すでに結果が得られたIgG4関連疾患においては、同細胞群の増加と線維化関連因子の発現が明らかとなった。一方、これらの細胞の機能連関については、条件設定が複雑であり当初の予定より遅れが出ており、まだ検討に至っていない。引き続き条件設定の検討を続ける。
上記の結果は全て細胞障害性CD4+ヘルパーT細胞とダブルネガティブB細胞の病態への関与を示唆するものであり、COVID-19とIgG4関連疾患に共通する新規治療薬の開発に向けて取り組んでいく。
また、同疾患でのCD4+ヘルパーT細胞とダブルネガティブB細胞の役割について、現段階で判明していることと今後の課題を記し、総説論文として報告した (Immuno, 2, 170-184, January 2022.)。その他にも多数の学会で、これらの研究成果について発表を行っている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21KK0163
ID情報
  • 課題番号 : 21KK0163
  • 体系的課題番号 : JP21KK0163