2015年3月
社交不安障害の神経基盤と認知行動療法の作用メカニズムの解明(第2報)
メンタルヘルス岡本記念財団研究助成報告集
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- 巻
- 号
- 26
- 開始ページ
- 89
- 終了ページ
- 94
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (公財)メンタルヘルス岡本記念財団
本研究は、社交不安障害患者2名と対照健常者21名を対象として、機能的MRI(fMRI)を用いてSSRI抵抗性社交不安障害(SAD)における認知行動療法(CBT)の脳内作用メカニズムを解明し、CBTの普及とSADの治療効果の改善に役立てることであった。本研究により、顔表情課題において報告されている部位およびSAD患者群において応答が出現した腹外側前頭前皮質は恐怖に関連した回路を構成している脳部位であることから、扁桃体の高い活動に加えて内側眼窩前頭皮質および腹外側前頭前皮質の活動もSAD患者における対人恐怖の評価に有用であることが示唆された。視線注目課題においては、紡錘状回を含む後頭側頭回の活動が増強していることから、自分を注目している聴衆の顔認知処理の増加が、島皮質を含む辺縁系を強く活動させたことを示唆している。このように、顔表情課題および視線注目課題の両方で、SAD患者群において恐怖の神経回路の活動が高まっていることを確認できた。
- ID情報
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- ISSN : 0916-9156
- 医中誌Web ID : 2015357230