日本とアジア諸国間の経済連携協定による看護師候補者受け入れが2008年に開始されて以来、インドネシアやフィリピンから来日した看護師が国家試験合格を経て各地の医療機関で働き始めているが、受入側の日本人看護師は、卒前卒後を通して文化的他者との交流経験が少なく、異文化協働への不安が強いとされている。
この間、日本国内においてはチーム医療の重要性が一層強く認識され始め、シミュレーション基盤型の連携教育も試みられてきたが、外国人看護師との協働に特化した教材の開発は未だ報告されていない。そこで本稿では、文化的背景の異なる同僚と臨床現場で安全に協働する能力の習得を目的とし、主に看護職向けに開発された教育用シリアスゲームについて報告する。