共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

医用画像とimmunogenomicsを用いた人工知能による肝癌薬物療法の最適化

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
21K07184
体系的課題番号
JP21K07184
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

肝細胞癌(肝癌)治療に用いられる分子標的治療薬には、効果予測のバイオマーカーがない。本年度は96症例のCT画像から抽出した画像特徴と付帯データを用いて、ニューラルネットワーク(NN)にて分子標的治療薬であるレンバチニブ治療開始後の病勢制御を予測した。治療開始後1-3ヶ月目、及び4-6ヶ月目の造影CTを解析し、いずれかでprogressive diseaseであったものを病勢制御失敗、4-6ヶ月目の造影CTでstable disease、partial response, complete responseと判定されたものを病勢制御成功と判断した。門脈相CTから特徴数を減らすために肝臓部位のRadiomics特徴を算出し,107個のRadiomics特徴を入力した。病勢制御予測にはニューラルネットワーク(NN)を用い、学習データ数が少ないこともあり,Radiomics特徴や付帯データを入力とする多層パーセプトロン型のNNを利用した.モデルの精度評価のため勾配ブースティングを用いたモデルと比較した。各モデルの分子標的治療薬の予測結果を評価するためにLeave one out法を100回行った結果を用いた。NNとLightGBMでは平均正解率はどちらも同じ0.58となったが, LightGBMでは平均感度が非常に高く,特異度は非常に低い結果となった。これに対してNNの予測結果は平均感度と特異度はどちらも大きく離れていないため本研究においてNNはLightGBMよりも適していることが示唆された。96例を用いた学習を複数回行った結果,NNの平均正解率0.58,最大正解率0.66,平均感度0.61,平均特異度が0.53となった。今後は,データ拡張や画像データから特徴の抽出など検討する必要がある。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K07184
ID情報
  • 課題番号 : 21K07184
  • 体系的課題番号 : JP21K07184

この研究課題の成果一覧

論文

  6

講演・口頭発表等

  11