論文

査読有り
2012年

失業時所得保障制度の比較研究 : 日独比較を中心に

社会政策
  • 福田 直人

4
1
開始ページ
123
終了ページ
134
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.24533/spls.4.1_123
出版者・発行元
社会政策学会

本稿では失業者に対する生活保障制度に関して,所得保障の観点から日独比較を行う。ドイツを対象とするのは,失業保障制度の構造において日本との共通点が多いためである。失業保障の国際比較研究は既に多く存在するが,その大部分が失業手当の給付金額と期間の比較に限定されていた。だが,失業時所得保障において重要な点は,失業保険の給付金額や期間だけではなく,就業時に支払ってきた税金や,社会保険料の免除,減免措置の有無である。本稿ではOECDの離職前賃金代替率の問題点を検討し,失業保険適用内,適用外それぞれの失業者に対する所得保障を分析した。その結果,日本の場合,失業保険が適用されたとしても40歳の失業者は税,社会保険料の負担によって受給額がマイナス,つまり貯蓄の取り崩しを迫られる可能性があることを示した。国際的には低水準と評価されるドイツの失業保障と比較しても,日本は更に低い水準であることが明らかになった。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.24533/spls.4.1_123
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110009517686
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12356737
ID情報
  • DOI : 10.24533/spls.4.1_123
  • ISSN : 1883-1850
  • CiNii Articles ID : 110009517686
  • CiNii Books ID : AA12356737

エクスポート
BibTeX RIS