共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

確率微分動的計画法の不確定性モデルの一般化とロバスト軌道設計への応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K15214
体系的課題番号
JP19K15214
配分額
(総額)
3,900,000円
(直接経費)
3,000,000円
(間接経費)
900,000円

今年度は,忠実度の高い不確定性を考慮した確率的軌道最適化手法の鍵となるサロゲートモデルの検討を進めた.特に不確定性による影響を受けた際の非線形フィードバック制御則のモデル化が鍵となり,多項式,Gaussian Process,Neural Networkによる表現の検討を行った.今後,計算時間を含めて,適切なサロゲートモデルの導入を進める予定である.サロゲートモデルの検討に関連した研究として,深層学習によるサロゲートモデルを用いた小天体マルチフライバイ軌道設計に関する研究を遂行した.本研究成果は,当該分野で権威的であるJournal of Guidance, Control, and Dynamicsに採択されている.
また,今年度は,本研究のアプリケーションの一つであるDESTINY+ミッションの軌道設計に関する詳細検討を遂行した.DESTINY+は地球周回軌道に打ち上げられ,イオンエンジンを用いて深宇宙離脱する世界初のミッションとなる.そのようなミッションを実現するために,「ひてん」等で用いられた月スイングバイ,「はやぶさ」等で用いられたイオンエンジンを駆使した軌道設計が採用されている.特に,打ち上げてから最初の月スイングバイを迎えるまでの期間(=スパイラル軌道上昇フェーズ)は,約1.5年間ほとんど連続的にイオンエンジンを動作させた後,然るべき時刻・位置・速度で月スイングバイを行う必要があるため,不確定性に対するロバストな軌道設計が求められる.本年度の検討では,スパイラル軌道終盤に時間的マージンを設け,また,月スイングバイを余分に挿入することでロバストな軌道を達成している.今後の検討で,よりロバストかつ最適な軌道設計に関する検討を進める予定である.DESTINY+の軌道設計に関する研究成果は,当該分野で権威的であるActa Astronauticaに採択されている.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K15214
ID情報
  • 課題番号 : 19K15214
  • 体系的課題番号 : JP19K15214

この研究課題の成果一覧

論文

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