Research Projects

Mar, 2004 - Mar, 2007

中央アジア山岳地域における最終氷期以降の氷河変動

文部科学省  科学研究費助成事業(奨励研究)  特別研究促進費

Authorship
Principal investigator
Grant type
Competitive

最終氷期の氷河編年を構築するためのモレーン調査は,2006年6月と9月に中央天山のアトバシ山脈でおこなわれた.アトバシ山脈では,すでに調査したテルスケイ・アラトー山脈と同じ二つの氷河拡大ステージを示すモレーンが確認された.フィールド調査では,OSL年代測定の試料をモレーンから採取し,名古屋大学で試料処理から石英を抽出し,首都大学東京でOSL年代測定をおこなった.この結果,若いステージのモレーンは2万年前ごろ形成されたことが明らかになった.調査地域の北天山のテルスケイ・アラトー山脈と中央天山のアトバシ山脈の氷河拡大ステージは同時期であり,この地域の一番古い氷河拡大ステージは,ヒマラヤやカラコルムなどインドモンスーンの影響下の拡大ステージと異なっていた.調査地域は偏西風影響下であり,ヒマラヤ・カラコルムはインドモンスーン影響下であり,変動の違いは,気候環境の違いが原因であると考えられる.この結果はQuaternary Internationalに投稿中である.