2012年 - 2014年
単一試行脳波から脳活動状態変化を検出する新しい統計的解析手法の開発
文部科学省 科学研究費補助金(若手研究(B)) 若手研究(B)
- 課題番号
- 24700422
- 体系的課題番号
- JP24700422
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 4,290,000円
- (直接経費)
- 3,300,000円
- (間接経費)
- 990,000円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究の目的は,単一試行の脳波から,脳の状態変化を捉えることが出来る統計的解析手法を確立することで,高次脳機能解析やブレインマシーンインターフェースの発展に寄与することである.具体的には,脳波の中で顕著に現れるα波に注目し,何かを見たといった外的な要因や何かがわかったといった内的な要因に伴ってα波が変化することを利用し,このα波の状態変化を単一試行から検出する新たな手法を,申請者がこれまでに構築した手法を発展させることにより構築する.平成24年度では,α波の位相シフトを単一試行から検出する新たな手法を確立した.本手法は,周期的自発活動の振幅及び位相を状態空間モデルでモデル化し,そこに急激な変化(シフト)に対応するためにラインプロセスを考慮したものである.シミュレーションデータ,フラッシュ刺激時の脳波データに適応し,本手法の有効性を示した.これまでは,脳波のS/N比が悪いことから何らかの意味で試行間において加算平均を行い,位相シフトを抽出していた.このように加算平均を行うと言うことは,試行間で同期している活動しか抽出出来ないことを意味する.しかし,必ずしも位相シフトが試行間で同期している訳では無いと思われるため,試行間で同期していない位相シフトを見落としていたことになる.本手法では,単一試行から位相シフトを抽出出来るため,試行間で同期していない位相シフトも検出可能である.本手法を用いることで,これまで検出出来ていなかった,試行間で非同期の位相シフトの検出に成功し,このような非同期の位相シフトが存在していることを示すことが出来た.この結果は,Physical Review E誌に投稿し,採択された.
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 24700422
- 体系的課題番号 : JP24700422