共同研究・競争的資金等の研究課題

1996年 - 1996年

非対称ジエンのディ-ルス・アルダ-反応のπ面選択性の電子制御

文部科学省  科学研究費補助金(基盤研究(C))  基盤研究(C)

担当区分
連携研究者
配分額
(総額)
1,300,000円
(直接経費)
1,300,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

本研究では,5-ホルミルシクロペンタジエンのDiels-Alder反応におけるanti面選択性が静電場による軌道混合で変形したFMOに起因することを明らかとした.静電場による軌道混合では,正電荷の場合,エネルギ-の高い軌道は電荷に近い原子上で低い軌道を逆位相で取り込む.また負電荷の場合は,これとは逆に高い軌道は同位相で取り込む.Ab initio分子軌道法(3-21G)により5-ホルミルシクロペンタジエンの構造を最適化したところ,ホルミル基は正の電荷を有し,FMOは,正電荷による軌道混合に一致してanti面での反応に有利になるように変形していることが明らかとなった.上記の仮説が正しいとすれば,カルバモイル基はホルミル基よりも正電荷が小さく正電荷の効果が減少すると考えられるが,事実FMOは選択性を示さず実験でもsyn面選択性の増加が確認されている.またホルミル基のカルボニル酸素を電気陰性度の低い窒素に変えて正電荷を弱めれば,軌道の重なりの効果によりanti面選択性の減少が期待できる.実

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/p/08640680