論文

2017年2月

徳島県内の回復期病院における看護師の口腔ケアに対する認識 アンケート調査結果から

四国公衆衛生学会雑誌
  • 中江 弘美
  • ,
  • 吉岡 昌美
  • ,
  • 薮内 さつき
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  • 土井 登紀子
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  • 藤原 奈津美
  • ,
  • 伊賀 弘起
  • ,
  • 日野出 大輔

62
1
開始ページ
95
終了ページ
99
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
四国公衆衛生学会

本研究は、歯科専門職の配置が少ない回復期病院における口腔ケアの支援を行うために、看護師の行う日常の口腔ケアに関する現状を調査し、口腔ケアに対する問題点を明らかにすることを目的とした。徳島県内の回復期病棟を有する18の病院の看護師を対象に、口腔ケアに関するアンケート調査を行い、「口腔ケアの負担感の有無」と「悩みの有無」および「口腔ケア実施時の悩みの理由」の各項目間での関連性について分析を行った。その結果、有効回答145名のうち51名(35.1%)が口腔ケアを負担の多い業務であると感じており、有効回答147名のうち134名(91.2%)が口腔ケアを実施し悩んだことがあると答えた。その内容は、負担感有りの群、無しの群ともに、"口腔ケア拒否患者への対応"、"開口できない患者への対応"、"舌苔が取れない場合の対応"が上位を占めた。また、負担感有りの群は無しの群と比較して"口腔ケアに十分な時間が取れない"、"口臭への対応"に悩む者が多かった(χ2検定;各々p<0.01、p<0.05)。以上のことから、看護師の多くは口腔ケアの具体的な方法や手技について悩んでおり、看護師の口腔ケアの負担感は時間的制約や口臭への対応といった悩みと関連することが明らかとなった。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0286-2964
  • 医中誌Web ID : 2017216893

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