1993年3月
Effects of Salinity and Water Stress on the Growth, Yield and Physiological Characteristics in Hexaploid Triticale.
熱帯農業
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- 巻
- 37
- 号
- 1
- 開始ページ
- 46
- 終了ページ
- 52
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11248/jsta1957.37.46
- 出版者・発行元
- Japanese Society for Tropical Agriculture
塩分ストレスおよび水ストレスを加えたときの六倍体ライコムギの生長, 収量および生理的特性の変動を調査し, 検討を加えた.用いた品種は, 置換型品種Welshと完全型品種Currencyである.生長と収量は, 塩分ストレスと水ストレスのどちらか一方が加わった場合よりも, 両方のストレスが同時に加わった場合の方が, より著しく低下した.すなわち出穂前30日間NaCl水溶液による処理を行った後, 出穂期にこの塩水処理を8日間中断し, その間潅水も行わない場合には, 塩分ストレスの影響と, 塩水供給の中断に起因する水ストレスの影響によって収量が著しく低下した.しかし出穂期に塩水処理を中断することなく, Currencyでは100mMのNaCl水溶液を, またWelshでは50mMのNaCl水溶液を処理し続けた場合には, 水ストレスの影響による収量の低下量が軽減されることがわかった.塩分ストレスはWelshの光合成速度を低下させたが, Currencyの光合成速度には影響を及ぼさなかった.しかし, 両品種とも水ストレスを加えた場合, および塩分と水ストレスを同時に加えた場合に, 光合成速度が低下した.塩分ストレス条件下では光合成速度と, 気孔抵抗, 細胞間炭酸ガス濃度, 蒸散速度, 葉の水ポテンシャルの間に一定の関係が認められなかったが, 水ストレスを加えた場合および塩分と水ストレスを同時に加えた場合には, 光合成速度と他の4つの生理的形質の計測値の間に一定の関係が認められた.蒸散速度と葉の水ポテンシャルは, 塩分ストレスと水ストレス条件下で低下した.葉中のCl, NaおよびKイオンの濃度は, 塩分ストレスと水ストレスを同時に加えた場合に著しく増加した.葉中のCaおよびMgイオンの蓄積状況は両品種で異なっていたが, Kイオンの蓄積状況は両品種とも同様であった.このことから, ストレス条件下の六倍体ライコムギにおいては, Kイオンが浸透圧調節に重要な役割を果しているのではないかと考えられる.
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- ID情報
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- DOI : 10.11248/jsta1957.37.46
- ISSN : 0021-5260
- J-Global ID : 200902179603564415
- CiNii Articles ID : 110003710325