MISC

2010年8月

【原発性硬化性胆管炎の最近の話題】 病理像による原発性硬化性胆管炎の鑑別診断

胆と膵
  • 中沼 安二
  • ,
  • 原田 憲一
  • ,
  • 宮川 文
  • ,
  • 羽賀 博典

31
8
開始ページ
749
終了ページ
755
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
医学図書出版(株)

原発性硬化性胆管炎(PSC)は硬化性胆管炎の原型である。硬化性胆管炎の病態を示す患者では、常にPSCとその類縁疾患と鑑別診断が必要である。PSCと鑑別を要する話題の疾患としてIgG4関連硬化性胆管炎がある。本疾患は、高率に自己免疫性膵炎に合併し、病変部にIgG4陽性の形質細胞の浸潤と閉塞性静脈炎を認める。またPSCでは、臨床的、血清学的に自己免疫現象が出現し、インターフェイス肝炎や小葉炎を認めることがあり(自己免疫性肝炎(AIH)-PSCオーバーラップ症候群)、類縁疾患との鑑別診断が必要である。特に、小児PSCではAIH様の病態がしばしばみられ、AIHとPSCの鑑別が問題となる。近年、肝移植後のPSC再発が注目され、予後不良の症例が多い。これらの症例、特に若年例ではPSCの再発に加え、AIH類似の肝炎性の変化の合併が注目されている。PSCの病理学的な鑑別診断に関する最近の話題を中心に解説した。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0388-9408
  • 医中誌Web ID : 2010304794

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